日常に戻る
週末はWECを観戦しに静岡に行っていた。
金曜の夜に出発して、月曜の夜に帰宅。
知らない土地に行くということはとても楽しい。なにげない風景、景色でも初めて見るものは新鮮で、新しい情報が脳に入ってくる感じが快感である。
肝心のレースは、雨と霧の所為でいささか消化不良気味だったが、それでも数々のハプニングも含めて耐久戦を堪能することができた。
火曜から日常が再開したわけだが、どこか抜けている。
社会人になって以来、初めてスーツのベルトをしていくのを忘れた。
ずり落ちてくることはなかったが、落ち着かない1日を過ごすハメとなった。
うーん、抜けているなぁ。よりによってベルトを忘れるとは。
ウィークデイの動きは、かなり高度に規格化しており、それこそ朝起きて出社するまで毎日寸分の狂いすら無いようにしていたつもりなのだが。。
今日の夜あたりから、富士で撮影した写真を見返していこう。
今回はシグマの17mm-70mmのレンズを投入したが、35mm単焦点で撮影していた時と比べて機動性が格段に上がったのは収穫である。
次の観戦時もこれにしよう。
国際格式レースでパドックに入れたのも良かった。色々、珍しい光景を見ることができた。
経験には多少のコストをかけてもペイできることがわかった、なかなか良い旅であった。
そんな良い思い出も胸に、日常を再開させる。
LMP2 アルピーヌのパドック。小雨降る中、佇むメカニック。
つるやたかゆき
オシャレランニングファクトリー 当別ふくろうダム60km
2月にサロマのウルトラマラソンのエントリーに失敗して以来、(ちなみに、SNSを眺めているとエントリー失敗したのは自分だけのようだ。。ガッデム)近郊の湖を全てランで攻めると決意した。
一つ一つの湖ではサロマ湖には敵わないけれど、近郊の湖を全て合わせれば勝てるだろうという、いま改めて書いていても意味不明なプロジェクトである。
ウトナイ湖60km
札幌湖、オルタナイ湖60km
支笏湖60km
恵庭湖に関しては昨年走破済み。残るは当別ふくろう湖のみとなった。
実は春先に一度挑戦していたのだが、あまりの暑さで当別駅でリタイア。
着替えもせずにJRに飛び乗り帰宅。
くさい臭いを車内にバラまき這々の態で逃げ帰ったのである。
グズグズしていると雪が降ってくる季節。さすがに雪の中出かける気力もない。
だとしたら計画は来年まで持ち越しとなってしまう。
やるなら今しかない。
ルートは豊平川を下り国道337号線で石狩川を渡り、当別に侵入。
そこから275号線に合流し、当別市街地までいく。
その後、道々28号線で当別ふくろう湖まで行く。そこから当別市内に戻ってくるのも芸がないので更に進み当別ふくろう湖に架かる橋をこえて、対岸にでて道々11号線から月形町に至る。
月形町には温泉もあるので、そこをゴールとするプランだ。
豊平川河川敷はあっさりとクリア。
いつも雁来大橋から下流のエリアを走る時は、あまりの単調さにゲンナリするのだが今回は思いの外あっさりとクリアできた。
札幌大橋から見る、石狩川は好きだ。
275号線の橋から見る石狩川は、厳つくて人を寄せ付けない感じがするのだが、札幌大橋からは呑気で雄大な景色を見せてくれる。
橋を越えると、一気に空気が変わる。違う町に来た感じがする。うまく言えないけど。
ひとつひとつのスケールが大きい感じがして、自分の無力さに打ちのめされる感じがするのだ。
今回はいつもとちょっとルートを変えて、337号線のいわゆる当別バイパスを通る。
太美経由より、一層単調なルートなのだが、これを越えられないと当別市街地以降のルートも耐えられないだろうと判断して、より一層厳しい環境を走ってみたのだ。
結果的に、これは大当りの選択だった。
単調は単調だが、景色が田舎特有の雄大なもので、なかなか飽きない。道もまっすぐで整備されているのでボーッと10月から新しくはじまる生活のことなどを考えていたら、あっという間に当別市街地に到達した。
今回はドリンクにヴァームウォーターを選択した。
近所のドラックストアで投げ売りされていたから、という消極的な理由だったのだが、これも良かった。
どこまで本当なのか知らないが、体脂肪をエネルギーにしてくれている感じがする。
あまりお腹が減らない。
市街地に到着するまで、2本もっていったヴァームウォーターのうち1本が空になった。もう1本は開封したものの、まだたっぷり残っている。
ドラックストアで追加で1本購入。
驚くべき安さだ。ヴァームウォーターの扱いが悪くて泣けてくるが、大変ありがたいのでこれからも安く売ってください。。
近所のコンビニで、糖質とタンパク質を補給。
おにぎりとゆで卵とチーズ。ランの補給食としてどうなのかは不明だが、ロングランは好きなものを食べれば良いのだ。
食べることしか楽しみは無いのだから、好きなものを選ぼう。
ここから、当別ふくろう湖までは未踏のルート。
結論から言うと、最高のランコースであった。
歩道が無いので誰にでも勧められるといったものでは無いが、牧歌的で時間が緩やかに流れている空間を独り占めして走っている感覚。
これが、田舎ランの醍醐味である。
道を、景色を独り占めしている感覚。最高だ。
ただ、最高すぎてペースが上がってしまった。
気温もあがり、水分を補給するペースが増えてきている。
楽しく走りながらも、左右に目を配るが無い。
そうこうしているうちに、ダムが見えてきた。ダムには自動販売機があるかもしれ無い。ボトルのヴァームウォーターは急激に減ってきている。
ダムの横の急坂を登り、管理事務所に到着。しかし、自販機は無かった。ダムカードは配布しているらしいが、自販機は無い。。
ここから、20㎞近く山の中を走る。ボトルの残量を意識しはじめてから、途端に喉の渇きが激しくなってきた。まぁ、人間ってこんなもんだろう。。
湖畔沿いを走り、湖を横切る橋まで来た。
昔、ロードバイクをやっていた頃はこのエリアをよく走っていた。
まだダムは工事中で、人が住んでいた痕跡がありありと残っていたが、橋の上からはそれを微塵も感じさせない。
すべて水の中だ。
それが良いことか悪いことか、判断はつかないが、感慨深い。
それにしても、これだけ水があるのに僕には飲む水が無い。
ボトルはどんどん軽くなってくる。意識しないように意識しないように、美しい景色をみて気を紛らわすのだが、気がつくと思考は水のことを考えている。
やむ得ず、一口。含んで噛むようにしてゆっくり時間をかけて喉の奥に流し込む。
ああ、喉を鳴らして水を飲みたい。
そうこうしているうちに、湖を横切る橋は終わり、対岸に渡ることができた。
交通量は途端に減り、道路公団の黄色い車か裏道を抜けるのだろうか、トラックくらいしか走っていない。
ここで倒れても、なかなか気がついてもらえないだろう。
と思ったら、急にワクワクしてきた。
このワクワクしてくる感じが、ソロでこういうことをやっている目的なのだ。
冒険は常に単独行。
単独行だから面白いし、尊いのだ。
月形に抜ける峠道に入る。
ここに来て急激な上り坂だ。歩道もないので、トラックが横切る度にビクビクするが、トラックの運転手も怖いだろう。こんな道を走っている人間がいるなんて。。
ボトルはとっくに空っぽになった。
喉は渇きを通り越して、痛みすら感じる。
そろそろ危険な領域だなぁとボンヤリ考えていたら、峠を越えて月形の住宅地に入っていた。
目をあげると、『休憩所』の看板が。淡い希望を抱いてたどり着くと、水飲み場が!!
ぬるくてカルキ臭い水だったが、喉が喜んでいる。まさに甘露であった。
そこからは、あまり覚えていないがほどなくして、最終目的地であった月形温泉に到着。パンツが擦れて、股がミミズ腫れになっておりお湯に入るのに悶絶。
小さいが、気持ちの良い温泉であった。
月形からローカル線にのって帰札。
色々と調査不足もあってハードコアな旅ではあったが、単独行は脳が痺れるような快感がある。
集団、仲間でこれをやるとただのマラニックだが、単独行でやることによって冒険となり、それは死を生に抱き込むような尊いものとなる。
冒険は常に単独行。
まだまだ一人でやれることはある。
つるやたかゆき
バンザイラン
夜ランは8㎞。
少し足が張っているので、軽めにしてみた。
せっかく走る時間を確保しているのに、足の不調というのは勿体無い。
強い身体が欲しい。
生活が少し変わって、走ること以外にも時間を確保できるようになった。
読書だ。
一日、1時間ほど読書に費やせるようになった。
通勤途中に図書館によれるようになったので、鬼のように予約をしまくっている。
払った税金分、取り戻せないかなぁとケチなことを考えている。
今日は、尊敬する福野礼一郎先生の幻の名著『バンザイラン』を借りてきた。
amazonとかでは、鬼神の如きプレミアが付いており、必死で古本屋で探しているのだがどうしても見つからない。
昔、tipoという車雑誌で読んだきりになっていたのだが、図書館の検索システムにひっかかってくれた。
ありがたい。
身を清めてから、正座して読むのだ!
つるやたかゆき
夜ランと秋の夜更け
寒くなってきた。
10月から生活が少し新しくなって、いろいろ忙しないが、時間のメリハリがしっかりつくようになったのは、良かった。
今は18時半過ぎには家に帰ってこれるので、夕飯の支度を簡単にして、着替えて走りに行く日々。
寒くなってきたが、長袖のTシャツと短パンの下にスパッツを履くだけでどうにかなっている。
ただ、汗はかかなくなった。
10分も走るとドッサリと汗をかいていた一ヶ月前が恋しい。
走ることによって得る爽快感のうち、30パーセントくらいは汗がドッサリでる要素が含まれていると思う。
時間が作れる生活になったので、走ってご飯を食べてからは自分の時間がふんだんにある。
テレビを見ても、選挙の話ばかりでゲンナリするので最近は本ばかり読んでいる。
通勤経路に市の図書館の出張所(?)があるので、予約注文した本を受け取るのに好都合だ。
9月に写真展を見に行った、石川直樹さんの著作などを片っ端から読んでいる。
今更、自分が旅に出たり山に登ろうとは思わないが、この歳からでもオモロイ生き方はいくらでも出来ると思わせてくれる。そういうブーストを他人に与えられる人は素晴らしいと素直に思う。
つるやたかゆき
台風の次の日もカメラを持って歩こう 海抜2メートルの世界
台風が過ぎ去っても、空模様は不安定。
散発的に雨が落ちてくる。
時間があったので、余市・小樽の海辺をブラブラしてきた。
海抜2メートル。
自然と文明のギリギリの交錯点。
小樽から余市までは味のある電車となる(電気で動いているのか??)
良さそうな街並みだ。
部外者が勝手に良さそうと言うのは傲慢極まりのないことだとは思うが。
少し歩くと海辺に出た。
殺風景だが、それがどうしたと言う感じの開き直り方をしている景色が好きだ。
雨が酷くなってきたので、余市駅に引き返して小樽に行く。
倉庫が立ち並ぶエリアをブラブラ。
ここは観光客もおらずひっそりとしている。
時間の流れがゆったりとしている。
音もあまり聞こえない。
天気が悪いなりに楽しい時間だった。
海抜2メートルの世界。
あちこちの海抜2メートルの風景をもっと見てみたい。
つるやたかゆき
2017年 北海道マラソン 参戦記
さんざん前振りだけは立派にしておいてが、肝心の結果を書くことを忘れていた。
御託を偉そうに並べていたが、完全な失敗レースで終わった。
個人的にはグロスタイムなんてもんに価値は感じられないので、もっぱネットタイムで勝負しているのだが、北海道マラソンにおいては出走ブロックがネットタイムに大きく影響することを忘れていた。
つまり、この敗北は春先にエントリーした時点で決定していたことになる。
ついつい、遠慮がちなタイム申告をしたせいで、Fブロックなんていう超後方の出走となってしまっていた。
詳しい人はわかると思うが、Fより後ろのブロックはファンラン(10km程度のスプリントランイベント)に出走するための方々に割り振られてるので、スタートラインを過ぎたあとはフル部門の遅い人と、ファンランで速い人が入り乱れるというカオスな状況になってしまうのだ。
昨年もこれにはかなりやられていたのにすっかり忘れていたわ。
そして、肝心のFブロック。集団、遅いです。
というか、EもDもかなり遅い人いますね。。
持ちタイムの申請は見栄を張らず正直にやろうぜ。
前のブロックから落ちてくる人、そしてファンランのガチ勢が入り乱れる地獄な状態は10㎞すぎまで続いた。完全に序盤から借金を背負う展開。
北海道マラソンは例年、暑くなり後半のタイム維持が困難になるレース。
気温に関しては今年も絶好調で、しっかり暑くなった。
誰だよ、冷夏っていっていたのは。。。
個人的には3時間50分切りを目指していたのだが、前半の借金、後半の利子が響いて4時間2分と大惨敗であった。
反省すべきところを整理してみよう。
・暑さ対策
・スピード練習の不足
・レースマネジメント
暑さ対策については、大会前週にもコースの後半30㎞を走るなどやってきたつもりだったが、身体が暑さに弱くなってきている。年かな。
昨年までは気温についてはそれほど気にしたことがなかったのに。
ベースレイヤーに薄手のコンプレッションを着て、熱と汗を抜くようにしたのにあまり効果に結びつかず。。
これ以上、何をすればいいのだ。
スピード練習については、ソツケンビルドをやらなかった。。これは反省。トンボ鉛筆の佐藤さんバリに奢り高ぶりがありましたな。。
ちゃんとスピ練する時間をスケジュールに入れよう。。
レースマネジメントについては、上にも書いた通り序盤でタイムを失ったことが大きい。だが、原因の本質的なところはプランB、プランCを用意していなかったこと。
なぜ、プランAだけでうまくいくと思っていたのか。。
ここもトンボ鉛筆の佐藤さんバリに奢り高ぶりが感じられる。
総じて、北海道マラソンを甘く見ていた。
大会前日に偉そうなエントリーを書いたくせに、甘くみていた。
ほんと、すまん。
来年は謙虚に、Dブロックを申請して頑張る。
それにしても、学生さんをはじめとするボランティアの皆さま、本当にありがとうございました。
学生さん、お休みの日に頑張ってくれてありがとうございます。
どれだけ勇気を貰えたことか。
感謝してもしきれません。ありがとう。
最後に運営について苦言。
・ファンランやめましょう!
マナー最悪です。歩道や中央分離帯を走る。
これ、やっているのは殆どファンランの人です。
マナーの良い大会、市民の方に理解される大会を目指している中、こういうのは本当にマイナスでしかないです。
どうしてもやるなら、フルスタート後の30分後とかにファンランのスタートをさせてください。
今年もフルのコースに数人混じっていたし。あれだけ係員が一生懸命誘導しているのに、フルのコース入るなんて確信犯としか思えないです。
気軽にエントリーできる要素は必要ですが、そこに最低限のマナーがないと品位が落ちてしまいますので。。
・エイド
年々質が悪くなってます。
スポドリの量、なんであんなに少ないですかね。。
道マラより規模小さい大会でも、大塚製薬とかにスポンサーになってもらってアミノバリュー、ポカリスエットなどを用意している大会はいくらでもあるのに、道マラがイオンのPBじゃ寂しすぎますよ。
一生懸命やっているボランティアの皆さんがかわいそうです。
以上、2点。
言いたい放題ですが、来年も参戦する予定の道マラファンからでした。
ご検討、何卒よろしくっす。
つるやたかゆき
北海道マラソン 参加にあたって
明日はいよいよ北海道マラソンだ。
北海道でランニングをしていると、この大会が年間を通じての一種のハイライトになる。そんな大会だ。
今年で5回目の参加となる。
気温が高く、コースが単調という過酷なレースなのだが、北海道でランニングをしているのにも関わらず、この大会をスキップするのもへそ曲がり感があって好きではないので、参加を続けている。
ウルトラやトレイルを始めると、どうにもこの大会を軽視するランナーが多いと思う。
確かにランニングブームにのっかってエントリーフィーは上昇の一途、その割にコース等の変更は無いので増え続ける参加者をスマートに走らせるの日は向いていないレイアウト、昨年に至ってはスポドリがノンカロリーとなるなどランナー目線からはクエスチョンマークがつくことも多い。
ウルトラやトレイルの自由な雰囲気に触れると、どうにも窮屈な気持ちになるのは理解できる。
だが、どんなに小さな不満があったとしても、札幌市民全体がバックアップをしてくれるこの大会は素晴らしいと思う。
街中の道路を使わせて貰い、こんなに応援をして頂けるレースは北海道においてちょっと他にないだろう。
回数を重ね、文化にまでなったからこそである。
それを数回参加し、ウルトラやトレイルも経験したからと言って、『道マラは飽きた〜』と言って背を向けるのも、違和感がある。
数十回の歴史を背負って文化にまで昇華させた先達に申し訳が無いと思うのだ。
今、(お金を払ったからと言って)街中を市民のバックアップを受けて走ることができる状態になったのは、歴史のお陰である。
一人、1万円ちょっとのエントリーフィーを払っているからでは決して無い。
そういうことに理解と感謝をして、大会に臨もうと思う。
つるやたかゆき