ツルタカ書店2
久々のツルタカ書店。
今回もノンフィクション。
まったくもって他人事で無責任だが、「未解決事件」というものに心のときめきを感じてしまいます。
もちろん事件の当事者や関係者は、いまでも終わりのない絶望と闘っていられるでしょうし、
もし自分が、そういった事件に巻き込まれることがあったら、到底冷静でいられないでしょう。
つるやが「未解決事件」好きになったきっかけがこの本
一橋文哉のデビュー作で、この後の彼の作品と違って、冷静で重厚で、構成も工夫されています。
(この後の一橋はいわゆる未解決事件や、センセーショナルな事件についてアレコレ書いていますが、
正直品質は下がりっぱなしで、あまり感動はありません)
そもそも、この「グリコ・森永事件」はドラマチックすぎます。
発端のグリコ社長を自宅から強引に拉致するところから、放火、毒入り製品をバラまき、金の取引、
そして犯行声明による挑発など、下手な2時間サスペンスドラマよりよっぽど派手でワイルド。
それでいて、社長監禁中に社長に着せられていた古いコートが、戦時中グリコが運営していた学校で配布されていたもの
だったりと闇の深さを感じさせる要素も大量にある。
(最近の文献では、あくまで「似ている」と書いてあるものが増えてきて、断定はしてないケースが増えてきましたが。)
作者は、おそらくリアルタイムで現場で取材をしていたのでしょう。
豊富な取材量と人脈が浮き上がってきて、非常に説得力があります。
捜査線上に表れて消えていく、「グレー」な人や組織、この事件を抱える闇の深さを垣間見ることが出来ます。
ノンフィクションとしては白眉じゃないでしょうか。
この事件をモチーフにして、犯人像までを緻密にシミュレートしたのが、高村薫の「レディ・ジョーカー」です。
グリコや森永ではなく、ビール会社にターゲットを変更しておりますが、古い体質の巨大企業に恨みのある人物が
復讐戦を仕掛ける。犯人グループのメンバー構成なども、「おそらくホンモノもこんな感じなんだろうな」と思わせます。
長い小説ですが、副読本にはぴったりです。
つるやたかゆき
久々フットサル
今日は半年ぶりくらいにフットサルだ。
同好の士を集めてのフットサル会。以前は月一でやっていたが、ちょいと期間が空いてしまった。
先週の疲労が抜けない状態で、脚はパンパンだったが思いの外動くことはできた。
動くことはできるが、足技はもともと下手くそだったのが更に下手になっていた。
半年もやっていなかったら当たり前か。
下手でも下手なりに楽しめるメンツを揃えているので楽しい。
ガチ勢が来るとこのバランスが一気に崩れるのでメンツ選びは重要だ。
その意味では非常に恵まれている。
来月もやれるかな??
フットサルの施設は南郷のサイクリングロード沿いだ。
ロードバイクが沢山走っていた。
自分のロードも整備して動かさなくては。。
つるやたかゆき
F1 2016 モナコGP観戦記
実際のところ、ロケーションを無視して見てみるとモナコGPというのは非常につまらないGPである。
狭く、抜けないレイアウトで予選でいかに前にでるかが鍵となるサーキットであり、あとはタクティクスを駆使して
ピットストップで前にでるタイミングを計るしかない。
その代り、風光明媚でラクジュアリ―な景観と、市街地戦という特殊なシチュエーションが僕等を盛り上げてくれるのだ。
スペインGPではランキングトップを独走するメルセデスで、禁断のチームメイト同士のダブルクラッシュが発生し
残されたレッドブルとフェラーリが白熱の戦いを展開し、最後は移籍初戦のヴェースタッペンが最年少で初優勝を飾るという
ドラマチックな展開となった。
そしてそのバックグラウンドで、2つの流れが変わっていた。
一つは、開幕から絶好調だったニコの流れ、二つ目は王者への「挑戦権」の移動である。
ニコはスペインのあの事件で、もっていた流れがとまった。
ハミルトンに流れを持ってかれたとまでは言うつもりは無いが、ニコ自身のもつ流れは停滞している。
フリー走行からイマイチ決まらず、ドライビングが鈍っていた。
対するハミルトンは、予選こそニコに遅れをとるが、トラブルを抱えながらの走りで決して悪い内容ではなかった。
失うモノが無い強みが、あのスペインの事故で彼が唯一得た武器である。
そして、「挑戦権」の移動は如実に現れた。
ハイダウンフォースサーキットでロウパワーでもどうにかなるレイアウトであったが、跳ね馬はレッドブルに完敗。
PUのスペック差ではまだフェラーリに分があるとは思うが、空力性能ではレッドブルにおいていかれてしまった。
なにより、コーナーとコーナーの繋ぎの区間での中間加速が必要なポイントでピックアップが悪い。
メカニカルグリップは比較的高いマシンかと思っていたが、ライバルの性能向上の前に相対的に低下しているのか。
レースは、レッドブルのリカルドのペースであった。
ウェットからドライに徐々に変化していく難しいコンデションであったがリカルドは冷静に後続とのギャップを計算して
冷静に作戦を遂行していく。
ルノーのPUがもつハンデを感じさせない。いや、ルノーのPUもなかなか侮れないレベルで性能向上を果たしたのか。。
追うメルセデスは、明らかにペースが速いハミルトンがニコに引っかかるというマズイ状態。
リカルドに簡単にギャップを作らせてしまった。
これは、レッドブル2連勝があるかなーという思いなっていたところで、あのミスが発生。
これは本当にお粗末。
タイアが無い状況でなぜピットインの指示をだしたのか。
スペインに続いてリカルドはチームの不自然な戦略ミスによって、勝利を逃した。
考えたくないが、ある種の政治力がチーム内を支配しているのではないか。
まるで、マークウェバーに対するあの頃のように。
望外の状態でトップに躍り出たハミルトンが、そのままポジションをキープして今季初優勝。
力づくで奪ったわけでは無く、ラックが多分に影響している勝利だが、今のハミルトンにとっては勝ち方よりも
勝ったという事実が最も重要なカンフル剤なのではないだろうか。
3位は伏兵、ペレス。
緻密な戦略を丁寧に、丁寧に実行してのポディウムゲット。
ペレス、良いドライバーになってきている。
フォースインディアはこういうジャイアントキリングをシーズンのここぞというところで行う。
この冒険心というか、思い切りの良さは魅力的だ。
そういう意味では、まったくペースをつかめていなかったマクラーレンがいつまでも横綱相撲的なレース運びをするのは
本当に気に食わない。
PU性能が重視されないサーキットでペレスにラップあたり1秒を離される状態。
これから続く高速系サーキットでは苦戦が予想される。
ハースはまたもや、失速。
魔法は完全にとけてしまった。
カナダでシンプルなレース運びで上を狙ってほしい。
最後に、中継について。
もういい加減に、モナコの思い出で1986年と1992年のセナのエピソードを話すのやめなさいよ。
陳腐すぎで、一種の様式美になっている。
パニスの無限初勝利とか、まだまだあるでしょ。
まあ、あの時代に魂を囚われている層しか中継見てないからしょうがないか。
いよいよジリ貧なF1中継を見せられた気がするGPであった。
つるやたかゆき
千歳JAL国際マラソンに参加してきました
今年の初レースとして、つるやが選んだのは千歳JAL国際マラソンです。
林道をひたすら走る、フルマラソンとしては異質なレースですが、マラソンを開始して始めて参加したレースということもあり不思議に愛着のあるレースです。
今年は、タイム向上を念頭において練習をすすめようと決意しておりましたが、結局練習量は過去最低。。
3月 112km
4月 102㎞
5月 149㎞
3ヶ月で350㎞程度と、こんな練習量で速くなるなら苦労しませんね。。
とはいえ、2016年になってからは毎週必ず一回は20㎞走はするようにはしておりました。飽きっぽい自分がこれだけは半年間続けているのが不思議でしょうがないですが、かといってこの程度では・・・
前日エントリーをすませ、当日はゆっくりと会場入り。
前もって買っておいた大福をスタート一時間前までパクパクと食べ続けます。
装備としては、いつもの感じ。
脚に不安があるので、adidas tecfitのコンプレッションの上下を基本に、あとは使い古したランパンとシャツ。
足元はつるやが万全の信頼をおいているTABIOレーシングラン、シューズはこの前に購入したadidas adizero CSブーストです。
このシューズ選択が、後々に大きく影響を及ぼすのですが浮かれていたつるやはそのリスクまで頭が回らず。。。
10時20分にレースは予定通りスタート。
千歳JAL国際マラソンは、スタートから3㎞くらいまではとにかく渋滞がひどいレースです。細く狭い林道を走るのでしょうがないのですが、ここで渋滞に付き合ってしまうと後半の巻き返しそのものがつらくなるので、意識的に前方の集団についていくことにしようと考えておりました。
結局、その考えも甘く・・・渋滞に巻き込まれてしまいます。
この規模の大会となると、今後この点は考慮が必要なところかと思います。
とはいえ、入りはキロあたり6分半程度、じょじょにペースアップしていけばなんとか4時間程度でゴールできるかなと、とらぬ狸の皮算用。
コースレイアウト的には、ここは折り返し地点まではひたすら登り、その後ひたすら下るというジェットコースター的なコース設計となっております。
前半、上りだからといってペースをつくれないと、後半に入ってのいわゆる『勝負権』が失われてしまいますので、ひたすらついていく。
手元のガーミンのデータでは、5分半程度のペースを20㎞まではキープできていた様子。ところが21㎞以降で突如崩れて6分台を連発。
下り基調になったところで回復しますが30㎞付近でまたもや6分台を連発。
結局、『勝負権』はもっていたのですがその権利をうまく行使することなく、フィニッシュ。
タイムは4時間7分と、少々恥ずかしい結果で終わってしまいました。
敗因としては、やはり走り込みの不足。とくに30㎞以降の筋肉全体のガス欠的症状がつらかった。自分なりのレーシングスピードを維持できなくなっていました。
30㎞走も事前に2回ほどやったのですが、フラットな地形でペースについても特に意識をせずにおこなっていたので反省ポイントです。
また、シューズの選択もいまから振り返るとイマイチだったかも。
adizero CSブーストは、ブースト系の中ではtakumiシリーズに次いでブースト含有率が低く、フォアフットでうまく走れる人ではないと性能を引き出すことができません。ターマックでは反発を利用して誤魔化しがききますが、グラベルである千歳JAL国際マラソンでは、少々勝手の違ったシューズだったのかも。。
まあ、速い人はなにを履いても速いのですが・・
なにはともあれ、次戦の北海道マラソンまでの課題は見えてきました。
うん、まずは練習量だな。。その次はベースタイムの向上。。
ちょっとずつ改善していこうと思っております。
つるやたかゆき
新しいランニングシューズ adizero CS boost
練習用シューズを新調してみた。
昨年、疲労骨折をしたこともあって暫くはクッションが厚めの adizero boston4を練習でもレースでも履いていたのですが、そろそろ飽きてきまして。。
つるやのランニングシューズ艦隊の構成は、adizero japan boost を旗艦として、adizero mana7 そしてboston4、といった内容です。別部隊としてフォアフット系で adipure系がボチボチといった感じです。
素直に考えると、mana7 なりjapan boostを履けって感じですが、それも気分がのらなにのでランナップの穴を埋めるべく、CS boost を思い切ってポチりました。
カラーリングはインディペンデント系のランギアブランドっぽい、地味目な色。
近年のアディダスには無い色ですね。
少しポップな印象です。
bostonより上で、japanより下というポジションのシューズですが、アディダスのチャート表ではサブ4ギリギリのところに位置しております。
boostも前足部のみに入っている仕様で、これは上位モデルのtakumi系と同じアーキテクトですね。もっとも各種クッションはかなり分厚いですが。
セミフラットというのかな?
アシックスのゲルフェザーグライドに近い感じですね。
これadizero系では珍しいですね。まあ、フラットぽいですがトルションシステムはついてます。
まだ30㎞ほどしか履いていないので、レビューはもうちょいしたら書きますね。
つるやたかゆき
BOOM BOOM SATELLITES 活動中止に寄せての駄文
衝撃的なニュースが飛び込んできた。
BOOM BOOM SATELLITESが活動を休止するとのこと。
バンドの活動休止はザラにあるが、彼らの活動休止の理由が長年、メンバーの川島さんを苦しめてきた脳腫瘍の後遺症によるものというのが壮絶だ。
公式ホームページの中野さんのエントリにも悲壮感が漂っている。
本当に残念だが、まずは川島さんの健康を第一に祈りたい。
こんな言い方はアレだけれど、数少ない世界に通用するレベルのアーティストだと思う。
ヨーロッパでビッグビート旋風が吹き荒れている90年代中盤に、決して借り物ではないビートの解釈を行い、それがヨーロッパでもしっかり評価されてベルギーの名門レーベルR&Sでデビュー。日本でのデビューはいわば逆輸入という形であった。
この経緯をリアルタイムで体験できたのは、本当に幸運だった。
少なくともダンスミュージックにおいて、日本生まれというものは何のハンデにもならないし、日本人の感性を突き詰めていってもそれは世界で通用する音楽になるのだということをしっかりと証明してくれたミュージシャンがブンブンサテライツだったのである。
- アーティスト: BOOM BOOM SATELLITES,Masayuki Nakano,Michiyuki Kawashima
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ
- 発売日: 1998/10/31
- メディア: CD
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高校3年の秋に、発売日にかった1stアルバム『out loud』
ケミカルブラザーズやノーマンクックが解釈するビッグビートとは、また一味違った解釈でダンスミュージックを構築している名盤だ。
複雑なビートと、不穏なベースライン。セカンドサマーオブラブやベルリンの高揚感を体験できなかった日本人だからこそ、作り得た新しい形のダンスミュージック。そしてそれは世界に受け入れられた。
あれから、18年。
ついにその旅は終わりを告げる。
あのジャケットに描かれたアルピーヌは、苦難の末にしっかりとポディウムに登った。
そう信じたい。
お疲れ様でした。
つるやたかゆき
ランニングシューズの寿命を知る、たった一つの冴えたやり方
ランニングシューズの寿命。それは本当に謎である。
試しにネットで検索してみよう。出てくる出てくる。わんさか出てくる。
しかし、その主張はてんでバラバラである。
1000Kmは大丈夫と言ってみたり、400Kmが一つの分岐点であると書いてあったり。
中には42㎞でダメになると、オリンピック選手よりシビアなことを言っていたり。
もちろん、クッションがたっぷりある練習用シューズと薄いレース用のソリッドなシューズでは条件が違うし、そもそも履き方、運用の仕方によっても全く違うので、一概に言えないのは承知の上だが、それにしても情報が錯綜しすぎているのが、ランニングシューズの寿命というテーマである。
これだけ情報が錯綜するのは、それぞれのランナーが、ランナーの数だけ走り方の哲学があるように、シューズについての思想もまたたくさんあるからなのだろう。
ランニングなんてものは、ほとんどテメエの身体のみを武器にして行う競技で、唯一テメエ以外の力を借りることができるのがシューズというウェポンなのだ。そりゃ、その唯一のウェポンに対する考え方はそれぞれ、哲学があってしかるべきだろう。
つるやは、所持しているシューズについてそれぞれ走行距離を記録している。
そこから割り出された結果として、いわゆる『美味しい』期間は、ある程度のアタりがついてから(おろしてから40㎞程度)450Kmから550Kmくらいまでであることがわかった。
※一応、連続して履かない。一度履いたら最低24時間以上間隔を空けて、クッションが回復するのを待つということは鉄則としてやっております。
550Km過ぎからは緩やかに機能は下降していき、650Kmすぎからはクッション機能がかなり低下してきて、足首・膝に原因不明の痛みがでてくる。
これが数足履き潰した、つるやの極めて個人的なシューズの寿命についての雑感です。
もちろん前述した通り、シューズの種類や履き方、走り方に大きく左右されるものだし、脚が頑丈で多少のシューズの劣化なんて問題ないって人もいるので、なんとも言えません。
つまるところ、シューズの寿命ってのは、シューズを履いている個人の資質にも大きく左右されてしまう側面もある。
では、シューズ単体の寿命をどう見分けるか。
つるやは極めて単純で明快は基準で判別しております。
シューズを腰くらいの高さから地面に落としてやる。
これで跳ねて、ひっくり返るシューズは寿命です。
跳ねるけれど、しっかり収束してひっくり返らないシューズはまだまだいけます。
シンプルだけど、一番確実な判別方法です。
シューズがへたってきたと思っている方はお試しあれ。
つるやたかゆき