ツルタカブログ

ファッション感覚でランしてる

自動車税のこと。

最近、注目しているのがこのニュース。

https://mainichi.jp/articles/20181129/ddm/002/020/078000c

自動車に関わる税金を、『走行距離』ベースにすることを検討しているという記事だ。
ネット上を見ていると、結構反対が多い。
そもそも日本は自動車に関する税金が非常に高い。

■購入時
自動車取得税
自動車重量税

■所有時
自動車税

車検時にも上記の自動車重量税がかかってくるし、さらに車を走らせようとしたら
ガソリンが必要になってくるが、それにも税金がかかる。
(更に言うとガソリン税に消費税がかかるという二重課税になっている)

自動車産業が国の基幹産業となっている国なのに、これでは車を所有することはまるで罰ゲームだ。
更に古い車は、自動車が上がるなど『エコ』の観点からも首をかしげざるをえない政策が堂々とまかり通っている。

最近、とみに発信力を増しているトヨタ自動車の『モリゾー』社長なんかに、ぜひこの件について発言してもらいたい。
若者の車離れって、この娯楽が多い時代に可処分所得をめぐる争いに車が負けた結果であって、
お金に余裕があれば、車を所有したいという人はまだまだいると思っている。


今回の『走行距離』ベースでの課税は、これから電気自動車がどんどん普及してガソリン税の税収が減っていくことを
見越してのアイディアだろう。

『とりやすいところからとる』のが税金の鉄則。
その観点からこのアイディアは間違っていない。とんでもない話だと思うけど。
そういう視点から見ると、これについて文句がでるのは当然だ。

ただ、個人的にはこの取り組みは面白いと思う。
前提として、すべての自動車関連の税金を『走行距離税』(仮称)にして、そこから割っていくということ限定だが。
(要は追加で税金をとるなってこと)
ガソリン税も、自動車税も、重量税もすべて『走行距離税』(仮称)に含めてしまう。
走行距離だと管理が難しい、メーターの巻き戻しがある、というならガソリン価格に入れてしまってもよい。
(電気自動車はどうするのって話もあるけど・・・)

要は走った分、税金がかかりますよって話だ。

これを言うと、地方で生活をしていると走行距離がのびる(公共交通機関が発達していないから)との意見もあるだろう。
だが、都心で高い駐車場代を払って週末のみ車を使う利用者が、地方の道路整備のお金を出すという発想そのものが異常だ。
日本はどんどん少子化して、あわせて地方の過疎化がすすんでいく。
数十人しか住んでいない村のために、道路を整備するのはそれこそ異常じゃないか?
少なくともその道路を整備するのは、使用者がするべきだと思う。
たとえば、都会に住んでいて地方の山登りが趣味という人は、その山に行くために車を走らせるわけで、その際に使用する道路の整備費用は
負担していることとなる。決して一方的に負担を押し付けているだけでは無い。
既に衰退期に入っている日本では、津々浦々同じクオリティで生活インフラを整備する体力が無いということを認識して、コンパクトに生活する発想に切り替えていくべきだと思う。

となると新しい道路は必要なく、既存の道路を整備にお金を使えるので結果的に支出は少なくなるのではないか。
全国津々浦々に高速道路を張り巡らすなんて、今の時代はナンセンスだと思うし、それを要求する地方(まあ、正確にはそこの議員さんと土建屋さん)は無視でよろしい。


また、燃費重視でおもしろい車が減るという声もでてくると思う。
だが、『使った分』の税負担となると、3人家族でミニバンなどといった不合理性も見直されるだろうし、ファミリーカーとは別に例えば趣味でスポーツカーを買ってみようという
人も出てくるはずだ。
なにせ使った分なのだから。いままでは所有するだけで無条件に徴収されたいたが、使った分となると週末にスペシャルな時間を過ごすために、趣味車を買うことも増えるだろう。
古い車だって、延命されるかもしれない。古い車は確かに燃費は悪いが、週末にのるだけなら負担は大したことがないだろう。これが本当のエコだと思う。すくなくとも環境負担が大きい
充電電池を搭載した車よりよほどエコだ。

そもそも燃費重視となると、車体の軽量化が必須となる。車の軽量化は快適な走りにてきめんに効くファクター。
『走った分』負担となるとこの方面の技術革新も今以上のスピードですすむと思われる。

案外、おもしろい車が登場する可能性も高いんじゃと考えている。
ワイドギアで変速を早めにして燃費を稼ぐという、90年代の日本車の発想に逆戻りする可能性もあるけど・・


と、グダグダ書いてきたが以上すべて屁理屈である。
受益者負担も度が過ぎれば、国がなりたたない。
趣味車を新たに購入するほど、この国の消費は元気じゃない。そんな余裕があれば貯金にまわすだろう。

都心の渋滞も、地方の衰退も税金の取り方を変えても解決なんてしやしない。


ただ、目先を少し変えると未来に対する光の当て方も変えることができる。
なので、『お上はすぐに弱者から毟り取ろうとする!』と条件反射でブチぎれる前に、自分自身でどんな未来が描けるかシミュレートしてみるのは悪くない。

そしてどうしても気にくわなければシステムから逃げ出してしまえばよい。それだけでだいぶ自由に生きていくことができる。


つるやたかゆき