愛がなければグルーヴはない
まあ、タイトルはやれやれさんのパクリです。
使い勝手がいいよね。村上春樹のタイトルは。本当に天才だと思う。小説は正直、読めたもんじゃないけど。
このところ、寝る前に野田努の『ブラック・マシン・ミュージック』を3年ぶりくらいに読んでいる。
ブラックマシンミュージック ディスコ、ハウス、デトロイトテクノ
- 作者: 野田努
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2014/10/09
- メディア: 単行本
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この本は、いわゆるシカゴハウスとデトロイトテクノの発生から成立を、さまざまな登場人物のフィルターで掘り下げていく内容だ。
非常に分厚く、登場人物が次々と登場してきて、正直このシーンに興味がない人は辛い内容だが、一つの優れた社会学の本としても読める。
抑圧されるマイノリティのカウンターとしてアクション、それがデトロイト発のテクノミュージックなわけだが、だからこそデトロイトテクノは深く、重く、優しい。
90年代、すべてのダンスミュージックが『テクノ』で括られて日本でブームになったことがあった。
ランボルギーニミウラのジャケットでお馴染みのコンピュレーション、『テクノスポーツ』、ああ懐かしい。
イージーで、シャカポコな音がなっている中、デリックメイが奏でるストリングスオブライフは不思議な緊張感と、激しさ、そして優しさが同居している不思議なテクノだった。
16歳のつるやには、当時、その背景はわからなかったけど、デトロイトのテクノは何かヤバいって感覚はビンビンに伝わってきた。
虐げられるものがカウンターとして、用意した芸術は本当に素晴らしい。
壁がなくなり、カオスとなったベルリン
緩やかに死を迎えつつあるブリテン
そして、絶望の度合いではどこにも負けていない、日本。
そんな斜陽を迎えた先進国(だった)国で絶望している連中が鳴らすのが『テクノ』だと思う。
だた、現実からの逃避で聞くのも良いし、なにかに対する怒りを共有するために聞くのも良い。
ただの機能としてのダンスミュージックを超えたところで鳴っている音が『テクノ』の精神性だと思う。
以下、ブラックでマシンなミュージックのベーシックを貼っておこう。
デリックメイ 『ストリングス オブ ライフ』
https://www.youtube.com/watch?v=bjdmPALLna0
インナーシティ 『ビッグファン』
https://www.youtube.com/watch?v=omfiVkkJ1OU
https://www.youtube.com/watch?v=tkjDI_9sSz0
つるやたかゆき