ツルタカ書店 最近読んだおもしろい本 2018年3月〜6月
読破した本の整理を兼ねてアウトプットしておこう。
最近は読了後、読書メーターにログを残すようにはしていたが、アレってなかなか見返さないのね。
インターフェイスやUIが致命的に使いにくいってのあるんだけど。
(だけど同じ本を読んだ人に、いいね!されると凄く嬉しい。)
なので、改めてここで整理しておこう。
- 作者: レオ・バボータ
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2009/08/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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いい事書いてあって、ナルホドと思わせるがそこまで止まり。成功の具体性に欠けるので、なにやら消化不良感がすごい。
この人が借金を返済して成功したのは本書に書いてあることを忠実にやったからではなくて、そのエッセンをいかに高く売るかをを考え抜いたかからであって、この本を読んだところで同じ成功には到底たどり着けない。
ゴールドラッシュのときに、道具やジーンズを売った人たちが結局もうかったように。
そして現代では、成功したと声高に主張してそのノウハウをオンラインセミナーや講演なので高額に売る人が結局すべてもっていくように。。
つまり、成功したきゃ他の誰もやってない手法を見つけることなんだけど、残念ながらこの本にはそんなことは一言も書いてない。残念だが、それを見抜けないと『搾取』される側からは抜けられない。この本は善人面して近づいてきているけど、そういう危うさがあると思う。
ダラーっと読むには最適。ダラ本(本の雑誌みたいなクソカテゴリ名をつけてみた)。
とは言え、文章の教育を受けたわけではないから読んでいて疲れる。ただ、これは作者に非はない。そもそもそれを上手く修正するのが編集者の仕事なのに、それを放棄している。独りよがりで共感しにくい感覚や表現をパンピー向きに修正することを放棄している。こんなんなら出版社や編集者なんていらないんだよな。ブログで十分だ。本が売れないというが、そういうところまで見渡せる編集者が非常に減ってきていると思うのだ。これはかなり古い本だから、現在と状況が違うと思うけれど出版点数ははるかに増えているが、おそらく裏方の人間はその増加数に比例して増えていないはず。つまり品質はもっとさがっていてもおかしくない。なんとも心が寒くなる。
佐藤優は現代の知の巨人である。哲学、神学、経済学を縦横無尽に駆使して、この悪魔のテクストを読み解いて行き、そこにある欺瞞を曝け出す。
前提となる教養がないと意味がわからない。正直に申し上げると、最後まで完全に理解できなかったし、サブテクストを用意して読解しようとも思わなかった。
ただ単に、世の中どんな時代にも優しい顔して恐ろしいことを考えている人間はいるし、それに騙される人間もまたたくさんいる。
そんなものに騙されて尊い『自分』ってものを売り渡すのはまっぴらごめんだ。
だから勉強しなくてはダメだ。人間、何歳になっても勉強しなくちゃダメだ。そう思わせる一冊だし、そのために読書は続けなくちゃダメだ。
圧倒的な知識、そのベースは学生時代からあったことがわかる。これを読むと、自分がどれだけ怠けた学生時代を過ごしていたかがわかる。恥ずかしい。本当に勉強って美しい。学ぼうとする姿勢って素晴らしい。
もういい歳だけど、勉強しようと思った。どんな方法でも良いから、勉強しようと思う。
あるミニマリストの物語―僕が余分なものを捨て人生を取り戻すまで
- 作者: ジョシュア・フィールズ・ミルバーン,ライアン・ニコデマス,Joshua Fields Millburn,Ryan Nicodemus,吉田俊太郎
- 出版社/メーカー: フィルムアート社
- 発売日: 2016/04/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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よく出来すぎている物語だが、いわんとしていることはわかる。モノを減らすことが目的じゃなくて、好きなことに集中できる環境を作り上げることが大事。
少しずつ整理はすすめているが、その歩みの遅いこと遅いこと。処分に悩むものも多い。
だけど自分が心地よくいられる空間はプライスレスなはず。その日のために今日もモノを捨てよう。(あえて整理するとはいわない。)
それにしても、この作者、サラリーマン時代に稼ぎすぎである(笑)
全体的にセンスがあまり感じられない生活だった。持ち物とかいかにもだし。。これ読む時間を自分を見つめる時間にした方が良いかも。
この本に限らずだが、ブログ上がりの本は吟味が必要だ。出版点数を増やすために、それほど価値がない情報も書籍化する時代。書籍は音楽や映画と違って、権威的な評価軸が一部を除いてほとんどない。小説やノンフィクションは、ある程度権威的な評価を与える体制が整っているが、ビジネス書やこういった生活ノウハウ本はそれがないために、どんどん乱造されているのが現状だ。自衛しないと時間と金をどんどん奪われてしまう。個人的は出版社で見ているとだいぶ防げるとは思う。出版社って音楽でいうとレーベルだから、ある程度のカラーは剪定できる。
半藤さんの軽妙な語り口から、昭和の歴史にグイグイ引き込まれる。本当にうまい。それにしても、政治家、陸軍、海軍のテキトーなことよ。現実を見ないで都合のよいことばかり考えて無茶苦茶ばかりする。度々、昭和天皇が困り果てている描写がでてくるのだが、本当に天皇陛下は大変だったと思う。昭和史のアウトラインを知るには最適な本。手元にずっと置いておいて暇なときに読み返したい本。松岡と牟田口は本当、極悪人だと思う。
昭和史戦後編。日本は戦争中も適当だったが、戦後もなかなかに適当だったことがよくわかる。あらゆる責任の所在がまったくもってアヤフヤだった。始まりが歪んでいるのだから、今の日本がどこか歪なのも当然だろうと思うが、個人的にはその適当さが日本の本質なんじゃ無いかなぁと思う。だが、その適当さで救われた人もいたはずで、個人的にはあんまり嫌いじゃ無いメンタリティだ。むしろいまの方がギシギシで過ごしにくさを感じる。
そんな雰囲気で作られた憲法がいまの時代で再精査するとダメダメなのは当然。それを現代的にアップデートしなきゃダメなのに、憲法が『コーラン』みたくなっているので、その話し合いすらまともにできない。ほんと、つんでいるなあと思う。
この本には何か具体的な生き方を示唆するような内容は無い。ただ、きっかけや考え方が随所に散りばめられている。お金じゃなくて、人間関係を大事にする。欲をかかない。労働力とは何かを考える。著者の本業とは違うお金の話なのでキレ味が悪いところもあるが、キリスト教徒としての彼の生きるためのヒントがしっかり書かれている。それを読み解けるかどうかでこの本の価値は変わりそうだ。
プラハの憂鬱の姉妹本。イギリス人の少年との交流が眩しい。異国の地で、文化も背景も違う少年と知的な交流をしてお互いを高めて行く。こんなことができる教養のバックボーンが素晴らしい。
素晴らしい記憶力に感服。そして情報屋としの矜持に心が打たれる。構成も見事で、あの事件の概要をしっかり理解することができた。圧巻は中盤以降の検事の西村さんとのやり取り。検事という対立する存在なのに、心のどこかで繋がっているような関係性を気づきあげるのは、さすが情報屋。それにしても省庁ってのもドロドロしてんなぁ。仕事だけしていれば良いってもんじゃないのは何処も一緒なのかね。。なんとも情けない話ではあるが。。
野戦病院でヒトラーに何があったのか: 闇の二十八日間、催眠治療とその結果
- 作者: ベルンハルトホルストマン,Bernhard Horstmann,瀬野文教
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2016/06/21
- メディア: 単行本
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どこまで本当なのだろうか。まるでフィクションのような仮説立てから進んで行くヒトラーが精神異常者であったという実証作業。通読しても本当かどうか判別できない。いや、かりにヒトラーが精神異常者だったとしよう。そんな異常者にドイツが、いや世界が振り回されて膨大な命が奪われた。恐ろしすぎる話だと思う。フィクションであってくれとさえ思う。『うわー騙されたよー、でも良かった良かった』って感じで。それくらい怖い話。
七帝に続く自伝的青春モノ。カタルシスの発散が非常に上手い。ためて、ためて、ドーンっとくる。最後の最後はムカつく宿敵のあの人までが味方になってくれる。この盛り上がり方、泣けるなぁ。女キャラの描き方に賛否あるけど、逆にリアリティを感じた。なにかに集中したら、それ以外の周りがどんどん希薄化していってあんまり意識しなくなる。あの子より権藤さんとの時間が大切だっただけ、熱中するってそういうことだと思う。あー、俺も完全燃焼して生きたい。
電子書籍をどう生かすのか、著者独特の視点が面白かった。あと英語の勉強方法も参考になる。膨大な知識を持っている人のインプット術は素晴らしい。
ソ連崩壊の内側を、著者の察した様々な交友関係をフィルターとして描いている。ソ連崩壊という重大な事象を立体的に描こうとするあまり、少し展開が冗長かな。ただ、情報屋としての凄味は伝わってくる。こういう風に世界と戦っている人がいるのだなと。そして、作者本人は意識してないだろうけど、ロシア料理とウォッカの描写が上手い。美味しそうだ。
期待して読んでみたが、また一橋さんに騙された。いや、違う。グリ森以外が題材の時の一橋さんはこんなもんなのだ。グリ森だけが、あのデビュー作だけが飛び抜けていたのだ。『殺人兵士』『韓国マフィア』興味をそそるキーワードはでてくるが、通して読んでみると何が言いたいのかさっぱり。おそらく、真犯人は外国籍なのは間違いないだろう、だがここまで飛躍した発想は遺族に失礼だ。グリ森の時の斬れ味を取り戻して欲しい。
『北海タイムス』で感動したので再読。いやぁ、やっぱり面白いわ。ひたすら絶望的な練習風景が続くのだけど、これをやった人生ってすごいと思う。もう二度と学生時代には戻れないけど、読むと完全燃焼したくなる。まだまだ負けないぞという気持ちが湧いてくる。いや、ほんと負けてられない。
ちょっと無理があるなぁ。。どうしても自分の価値観に既存のミュージシャンを当てはめて解説することの無意味さを思い知るね。そして、湯山玲子の薄っぺらさが際立つ。この人、ただ単純に消費する人なんだよね。知的生産がなにもできない。こういう人こそ、女の人の価値を落としている象徴だと思う。本人は無能そうだから気がついていないと思うが、フェミニズムの最大の悲劇は身内に無能が大勢いることだと思っている。だからヒステリックに膨張し、解体していく。あな恐ろしや。
思った以上に読んだ数が少ないな。
もうちっと効率を上げて読んでいかないと。
つるやたかゆき