ツルタカブログ

ファッション感覚でランしてる

adizero boston6レビュー これは911GT3だ。

今年始めに購入したadizero boston6。

150㎞ほど走ったので、レビューしておこう。

 

adizero bostonシリーズは3から履いている。

(ギリ)サブ4ペースには最適なレンジのシューズで、タッチは硬いが衝撃の収束が早く、スピードを上げても良し、ノンビリ走っても良しで、練習には最適なシューズだった。(逆にレースで使ったことは殆どない。。)

3、4はEVAファーム、5からはブーストフォームに変わったが、基本的な思想は不変で練習だったり長距離ランニングなど、歴代モデルは酷使してきた。

6もアーキテクト的には5から殆ど変更が無さそうに見えたので、(安かったということもある。これ重要!)購入。

 

前述の通り、150㎞ほど走ってみたが、このモデルは良い意味で従来のadizero bostonシリーズとは異なっている。

 

まず、ソリッドさが大幅に増した。

ブーストフォーム特有の、路面からのインフォメーションがボヤける感覚が無く、かなりリニアに路面からのインフォメーションがくる。まるでフェーズがワンランク上のシューズみたいだ。

かと言って、bostonに求められているサブ(ギリ)4シューズとしての、脚を保護する性能はスポイルされておらず、その衝撃はしっかりと吸収されている。

アッパーの素材変更も良い。ニット的な柔らかなものに変更された。こちらもシューズとの一体感向上に寄与していると言える。重量はそれほど変化がないのだろうが、軽くなった感覚がある。

 

これはもう、911GT3だろう。

従来までが、コンフォートとレーシングさを綺麗に両立させていた911カレラだとしたら、今回はGT3だ。

街乗りはある程度考慮されているが、そのターゲットはサーキットを主戦場としているGT3。

911ファミリーの中でもとびきりのレーシングモデル。

かといって、GT3RSRのように過度に、圧倒的にレーシングにふっておらず最低限の街乗りマナーをもっているところもキャラクターが被る。

 

adizeroシリーズは、昨今大幅にラインナップを縮小して、上位モデルの先鋭化が著しい。

恐らく初心者用レンジはadizero以外のモデルで担う腹積りだろう。

そうなるとadizeroシリーズの末席に籍を置いているbostonシリーズも、高性能化が避けられない。

とは言ってもbostonシリーズは歴史的にサブ(ギリ)4のレンジを担ってきた。

そこを担保しつつ、高性能化が目に見える形にするには。。。

その結果がベースモデルの性能をファインチューニングすることで最低限のコンフォートを維持しつつ、次の(上の)モデルの景色を見せるようにする、911カレラからGT3化するキャラクターチェンジという手法をとったのであろう。

長年bostonを履いているランナーには、ユーザーの進化と歩調を合わせた段階的進化は恐らく好意的に受け止められるであろう。

あとは、初めてこのモデルを履いたユーザーにどうとられるか?

ある意味、adizeroシリーズの中の『入門講座』となるこのモデルでadizeroシリーズの全体の印象が決まると言って良い。

最初のポルシェがGT3なのは喜ぶべきことか、それとも。。

 

 

つるやたかゆき