オシャレランニングファクトリー 支笏湖70㎞
1000湖ラリー 第四弾は支笏湖。
真駒内からポロピナイに抜けていく、峠MAXなルート。その後、湖畔を走り苫小牧におりるプラン。
全行程は70㎞に及ぶ。
晴天に恵まれすぎて、ランをするには少々危険な温度となった。
朝4時に起床したものの、連日の暑さのために疲労が抜けていない。
寝ぼけ眼で窓の外を見ると、ピーカンの天気。苦戦が予想される。やれやれ(c村上某)
装備としては、暑さが籠りそうなためコンプレッションの上下はやめた。
ベースレイヤーにモンベルのメッシュインナーをきて、その上に速乾性のTシャツ。
下はショートスパッツをパンツの下に履いた。さらにTABIOのゲイター。
足回りはTABIOに、adidas adizero BOSTON boost。
特に変わり映えしない装備だ。
バックパックのボトルポケットに500mlのスペシャルドリンクを二本差し。
さらに気室に、500mlのボトルを凍らせて二本。
合計2リッター、重量2キログラム。重たいが、今回のコースは途中で補給をすることが全くできない。
変に軽くしようと色気を出すと、死に繋がる。めったなことはできない。
中央区から河川敷を抜けて真駒内まで。
脚が重たい。連日夜ランをしていたからか。疲労がまったく抜けていないのが分かる。
毎日、アミノ酸を飲んでいたんだけどなーとボヤキながら走り続ける。すでに背中は汗でビッショリだ。
バックパックを背負っているので、背中は熱が逃げて行かない。
水分と塩分の補給がカギだなと認識、5km毎での定期的なセルフチェックをしなくてはいけない。
芸術の森付近を抜けると、一気に景色が変わる。
本格的な峠の始まりだ。
過去、ロードバイクをやっていた時分に何度も通った道だ。今日もローディ達が坂と格闘している。
それを横目にひたすら踏む。
実は3年前に一度、ランで支笏湖はやっている。
友人が湖畔でキャンプをやっているとのことで、走って参加したのだ。
その時は早々に心がやられて、文字通り『這うよう』にして辿りついた。その時のリベンジをしなくてはいけない。
恵庭湖分岐点までは割と余裕をもってクリア。
ここから第一目標であるポロピナイまでは残16km。記憶が正しければ二度の山越えがある筈だ。
陽が登ってきており、道の両際に広がる森での木々では日光を遮ることができなくなっている。
暑い。暑すぎる。
速乾性Tシャツはすでに吸水・発散の限界を迎えており、ただの濡れた布と化している。
ただ濡れているだけならマシだ。
ポリ製のTシャツは限界を超えた瞬間、ただの濡れた臭い布になる。
着ているのも苦痛なくらいである。
たまらず、バックパックをおろしTシャツを脱ぐ。パタパタして少しでも乾かそうと試みるものの
まったくの無駄。炎天下でとまってそんなことをやっていると、ジリジリと肌が焼かれていくのがわかる。
走り続けても地獄、止まっても地獄、そしてもう戻るのも無理な地点に来てしまった。。
ロードバイク時代にも何度も騙された看板が見えてきた。
ここからもう1回降りて、登るんだよな。。。
すでに暑さで朦朧としながら、最後の登りを走る。
ドライブ日和で、何台もの車が気持ちよさそうに走っていく。そして死にそうな顔をしているこの哀れなランナーを見て
ぎょっとした顔をしている。
そりゃそうだ。こんなところを走るなんて、ちょっと普通じゃない。
そろそろ意識も朦朧としてきたときに、近寄ってきた自転車乗りに話しかけられる。
たちどまって話を聞いてみると、恵庭岳に登るために札幌から自転車でやってきたとのこと。
クーーール!!
めちゃくちゃカッコいいじゃねーか!!
『いやいや、ランの方がヤバイっすよ』と言ってくれたが、んなこたぁ無い。
見たところ自分よりも若そうだったが、こういうことをやれる人を尊敬する。
たった数分の会話だったが、素晴らしい出会いだった。
ありがとう!!
気力を奮い立たせて、ポロピナイまで降りてきた。
売店で買ったソフトクリームが美味い。
こんな美味いものが世な中にあっていいのだろうか。ランの後のソフトクリームはヘロインより快感だ。
だが、暑さはいよいよ本日の最高点に到達した模様。
ここから次の休憩ポイントである支笏湖温泉街までの7㎞を走れる気がしない。
いや、そこまでは行けても、そこから苫小牧までの30㎞は想像できない。
人間はイメージできないことは、実現させることは出来ない。つまり苫小牧までは行けない。。
支笏湖湖畔の7㎞を1時間かけて走る。歩かなかったのはただ単に暑いからである。一刻も早く木陰に入りたい。ちなみにこの7㎞で1000mlの水分を消費した。。
支笏湖温泉街で考えた。
このまま苫小牧プランを継続するとなるとリスクが高すぎる。
ぶっ倒れても良いが、誰かのメーワクになることは避けなくてはならない。
遊びで他人にメーワクをかけるなんて最低である。
目的地を千歳駅に変更。
地図で距離を測ったら26㎞。うん、3㎞も短縮できた。たった、3㎞かよ。。
サイクリング専用の道があるのだ。ロードのときは基本的に下りなので、気楽なものだったが、ランになると勝手が違う。違いすぎる。。
『ヒグマ出没注意』の看板に怯えながら、走る。注意も何も無い。誰もいない森の中のサイクリングロードだ。ヒグマが出てきたら一発アウトだろ。
ヒグマ嫌だなぁ、怖いなぁとビクビクしながら走る。27㎞を4時間かけて走破。途中で水を飲み干してしまい、渇きと戦いながら千歳の街を見たときは少し泣いてしまった。
振り返ると今回のランは失敗である。
装備も準備も体力も気力も、このコースをやっつけるには足りなかった。
次回までに足りないものを全て手に入れられるようにしておかなくちゃな。
つるやたかゆき