オシャレランニングファクトリー ウトナイ湖60km
朝起きると大雪。3月なのに大雪。なかなか春にはならない。
天気予報をチェックすると、目的地方面の千歳・苫小牧方面は晴れそうなので
意を決して出発することにした。
サロマのウルトラマラソンが、まさかのエントリー不可となり、今年の目標を見失っていたが、「一人でできるもん」精神で、サロマのことはキレイさっぱり忘れることにした。エントリーできなかったということは、神様が「お前はまだ早いよ」と言っているってことだろう。
そのかわり、一人でやってやろう。
そこで、企画したのが「1000湖ラリー」かつてのフィンランドラリーにあやかっての命名。
サロマ湖以外の湖をとにかくランでシバイたる、そんな単純な企画だ。
第1戦はウトナイ湖が目的地。
とはいっても、ウトナイ湖で終わってもしょーがないので、苫小牧まで行ってJRで帰ってこよう。距離にしては60km〜65kmってとこか。
AM8時出発。
不思議なことに、外に出た瞬間に雪はやんでいて、晴天が広がる。
36号線をひたすら南下する、単純なルートをとることにした。
晴天はありがたいが、常に太陽が自分の前にいるような状態で、顔がピリピリ焼けてくるのがわかる。
週明け、日焼けした顔で会社に行くのは恥ずかしいな。。
不思議と疲れは感じない。
前日まで降った雪で足はとられるし、シューズはトレラン用のアディダス レスポンスTR20でかなり重たい状況なのに、快調ですらある。
あっという間に、ハーフディスタンスである北広島を突破。
ただ、調子の良かったのはここまで・・・
恵庭の分岐点あたりで、脚に軽い張りが出てきた。心が弱ってきたので、国道にかかる青看板で苫小牧までの距離を見て、げんなりする。
だましだましで、恵庭市街地を突破。まだ30㎞・・大丈夫だろうか。。
ソロでロングをやっていると、こういうときに誰かと辛さを共有できないし、ダメな自分を笑いの材料にすることも出来ない。
ひたすらフラストレーションが溜まる瞬間だ。
たが、冷静に考え直す。
「これがやりたかったんだろ」
そうだ、これがやりたくて、こんなくだらないことをはじめたのだ。
ひたすらソロで、ワンウェイを走り抜く。
誰にも頼らず、誰もやらないことをやる。それが、この遊びの目標じゃないか。
そんな風に考えていたら、あっという間に新千歳空港だ。これでフルディスタンス。
新千歳を抜けたら、そこはもうザ・北海道といった感じのむき出しの自然が道路の両側に広がる。
車では何度も通った道だが、まさかランで走るとは。。ボロボロの歩道で走りにくいが、こんな歩道、使う人なんてそうそういないんだもん、しょうがいないね。
ひたすら、勇払平野を望みながら孤独なランが続く。
風も冷たくなってきた。汗の処理が完全に破綻しているので、身体をとめると一気に冷やしてしまうだろう。脚を、身体をとめることは出来ない。
辛いのだが、気分は悪くない。
初めて走る道で気分は高揚しているのだろうか。悪くない。この感覚を味わいたかったんだと再認識する。
53km付近で、ウトナイ湖到着。
冷たい空気のなか、静かに水を湛える湖面は腹が立つくらいに美しい。
走りきった感動と、たった53kmで疲弊している自分への情けなさ入り混じって複雑な気分である。
まだまだ、ウルトラマラソンは自分には早いのか。
その後、苫小牧までの10数kmは文字通り地獄だったが、どうにか自分の力でゴールまでたどり着いた。リスキーなことやって、それを克服する。
徐々に強度はあげていけばいい。
それにしてもつかれた。。