BOOM BOOM SATELLITES 活動中止に寄せての駄文
衝撃的なニュースが飛び込んできた。
BOOM BOOM SATELLITESが活動を休止するとのこと。
バンドの活動休止はザラにあるが、彼らの活動休止の理由が長年、メンバーの川島さんを苦しめてきた脳腫瘍の後遺症によるものというのが壮絶だ。
公式ホームページの中野さんのエントリにも悲壮感が漂っている。
本当に残念だが、まずは川島さんの健康を第一に祈りたい。
こんな言い方はアレだけれど、数少ない世界に通用するレベルのアーティストだと思う。
ヨーロッパでビッグビート旋風が吹き荒れている90年代中盤に、決して借り物ではないビートの解釈を行い、それがヨーロッパでもしっかり評価されてベルギーの名門レーベルR&Sでデビュー。日本でのデビューはいわば逆輸入という形であった。
この経緯をリアルタイムで体験できたのは、本当に幸運だった。
少なくともダンスミュージックにおいて、日本生まれというものは何のハンデにもならないし、日本人の感性を突き詰めていってもそれは世界で通用する音楽になるのだということをしっかりと証明してくれたミュージシャンがブンブンサテライツだったのである。
- アーティスト: BOOM BOOM SATELLITES,Masayuki Nakano,Michiyuki Kawashima
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ
- 発売日: 1998/10/31
- メディア: CD
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高校3年の秋に、発売日にかった1stアルバム『out loud』
ケミカルブラザーズやノーマンクックが解釈するビッグビートとは、また一味違った解釈でダンスミュージックを構築している名盤だ。
複雑なビートと、不穏なベースライン。セカンドサマーオブラブやベルリンの高揚感を体験できなかった日本人だからこそ、作り得た新しい形のダンスミュージック。そしてそれは世界に受け入れられた。
あれから、18年。
ついにその旅は終わりを告げる。
あのジャケットに描かれたアルピーヌは、苦難の末にしっかりとポディウムに登った。
そう信じたい。
お疲れ様でした。
つるやたかゆき