ツルタカブログ

ファッション感覚でランしてる

新映像の世紀 第5回を見ての雑感

録画しておいたNHKの『新 映像の世紀』の第5回目をようやく見た。
この新シリーズ、駆け足すぎて『旧 映像の世紀』にあった、独特の余韻に浸る感覚がなくなってしまいいささか残念なシリーズとなっているが、さすがに日本のテレビ番組史上最高傑作の『旧 映像の世紀』と比較するのはフェアではない。
『新 映像の世紀』、名前さえ関係なければ、現在のテレビ番組の中でもトップクラスのクォリティであろう。
そんなにテレビは見ていないので保証できませんけど。。

第5回目は、いわゆるカウンターカルチャーの時代とのことで、60年代から吹き荒れた若者たちの反乱を描いています。
評価できたことは、このタイミングで改めての毛沢東批判。つるやは、毛沢東は戦後最悪の人物だと思っていますのでこれは非常に良かった。天安門事件もそれなりに時間を割いて放映していたところも評価できます。
また、ゲバラの貴重な映像もたっぷり使っていました。これも評価ポイント。ゲバラカストロあたりは『旧 映像の世紀』では殆ど触れられていないので、この構成はありかなーと。

で、それ以外はてんでダメでしたね。
なにより、60年代の若者の反乱を肯定的に描きすぎです。一部、五月革命のシーンでのぼせ上がった若者のが『毛沢東語録』を持っているところをシニカルにスケッチしてましたが、それ以外ほぼ肯定のスタンス。
その点、『旧 映像の世紀』のバランス感覚は素晴らしかった。ベトナム戦争に反対する若者と、それに対して反対する保守派層、それぞれの主張をバランスよく捉えていましたもんね。

日本の学生運動をはじめとする、あの時代のムーブメントを手放しで礼賛するノリって本当に危険だと思います。
学生はモラトリアム期間として好きなことをやるというのは十二分に肯定できますが、あくまでも他人様にメーワクにならない範疇でっていう話なわけで。
どう角度を変えて見てみても、自己満足にしか見えないんですよねぇ。

そして、最後の西ドイツでのデビッドボウイのライブ、あんたこれ、最初予定になかったでしょ。
そこらへんの、イヤに視聴者を意識した感じが安っぽい演出になってしまいましたねぇ。

『新 映像の世紀』もラスト一回。
一応、全部録画済みですが、再び見直すような作品として完結できるのでしょうか。
ちなみに『旧 映像の世紀』 は暗記できるくらいまで見ております。。

つるやたかゆき